【実録】映画館クレーム・トラブルあるある(&おすすめ映画2選)

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こんにちは。けーたろです。
元シネコン支配人です。

前回の記事では、クレーム対応時のメンタル防衛法について書きました。

シネコンで働いているとき、クレーム対応の話しを友人にすると
「映画館でクレーム言う人なんているの?」
と、よく驚かれました。

今回は、実際に映画館で経験した、クレーム・トラブルをご紹介します。

1.よくあるクレーム・トラブル

1)23時以降の入場規制

多くのシネコンでは、映画の上映が23時を越える場合、18歳未満の方の入場はお断りしています。

トラブルの発生頻度は高く、お客様と大きく揉める原因になり得ます。

なぜなら、都道府県の条例を根拠に入場を断っている場合、コンプライアンス上、劇場側が「今回だけ」と妥協ができないからです。(入場させているシネコンもあるかもしれませんが、、、)

 

 

2)スタッフの態度が悪い

お客様が受けた印象が全てなので、「態度が悪い」と言われれば「ご不快にさせたこと」についてお詫びします。

 

以前、チケット販売所のスタッフの対応が悪いとクレームの電話がありました。

クレーマーは、劇場側の「誠意」を見せてほしいと、いろいろ言ってきます。

購入されたチケットの作品名や上映時間を伺って、販売履歴を確認したところ、該当の上映回は自動券売機でしか発売されていない。(つまり、スタッフは販売していない!!

そのことを説明したところ、最初は「作品(時間)が違うかも」云々と言っていましたが、クレーマーの分が悪くなってきたところで、

「お前は警察か?お前の対応が気に入らない!!」
「上の人間と話しをさせろ!!」

いろいろと絶叫した後、電話をガチャ切り。その後、連絡はありません。。。

 

3)周りの客がうるせー

おしゃべりだけではなく、座席を蹴られたとか、スマホを触ってるやつがいたとか、、、

お客様同士でトラブルになることもよくあるので、マナーを守って、楽しく鑑賞しましょうね。

 

 

 

こんな話を聞きました。

「社長を出せ!!」はクレーマーの常套句で、実際に本社にクレームを入れられることも特に珍しくありません。

他社の支配人仲間から聞いた話しですが、

ある時、劇場の対応に納得しないお客様が本社に電話。
土日だったため、本社には社員が誰もおらず、たまたま社長本人が電話を取られたそうです。

社長は外国の方で、日本語はカタコトだったそうで、

客 :「社長を出せ!!」
社長:「ハイ。ボク、シャチョウデス。」
客 :「。。。」
客 :(再度、劇場に)「お前んとこの会社、どうなってんだ!!」

ただ、その社長から謝罪をいただけたとのことで、最終的にご納得(?)いただけたそうです。
社長、すばらしい。

2.たまにあるクレーム・トラブル

1)盗撮してる人がいます

スタッフの監視が緩くなる、深夜の上映回は要注意!!

どんな犯罪組織が絡んでいるか分からないので、関係各所に連絡を入れながら、慎重に対応していきます。

劇場スタッフの安全が最優先

ちなみに、映画の画面を撮影すると、撮影した劇場が特定できる信号が入っているので、流出した劇場が分かるようになっています。

 

2)無銭鑑賞

やめましょう。

捕まえたときに認めて謝罪するならまだしも、とぼけて開き直る奴には警察を呼んで対応してました。

 

3)上映ストップ

現在はほとんどがデジタル上映なので、フィルム時代と違って、人為的なミスが原因のトラブルは減っているかもしれません。

しかし、機械を使っている以上、一定の割合でトラブルが発生します。

機械トラブルとしては、プロジェクターやサーバーの不具合などがあります。

また、近くの変電所に落雷があったり、映画館が入居するショッピングセンターなどで火災報知器の発報(誤報でも)があると、全スクリーン同時に止まったりもします。

個別スクリーンの機械トラブルなら、上映ストップは該当スクリーンだけなので、数十人から数百人の対応で済みますが、落雷や火災報知器が原因で止まると、全スクリーン一斉に上映がストップするので、土日などは千人以上の対応になることもあります。

3.めったにないクレーム・トラブル

1)イベント中継での機械トラブル

舞台挨拶やライブなど各種イベントを、全国の映画館に中継するのも一般的になりました。

ただ、通常の映画作品であれば、トラブルがあっても、中断したシーンから再開したり、後日、同じ作品を観ることもできます。

しかし、イベント中継は一発勝負で、観直しができません。

過去、中継機材のトラブルが原因で、イベントの音声が流れなくなるトラブルがありました。

満席の状況でのトラブルであり、イベント終了後、殺気立ってる300人ほどのお客様の前で謝罪をしましたが、よく今生きていられると思うくらい修羅場でした。

 

2)舞台挨拶で座席販売間違い

出演者が観客の前に登壇して挨拶を行う舞台挨拶。

実際に行かれた方や、テレビの情報番組などで舞台挨拶のシーンをご覧になった方も多いと思います。

座席の最前列まで販売することもあるのですが、登壇者の人気やマスコミの有無、劇場の作りなどによって、安全上、最前列は売らないことが多くあります。

 

有名ハリウッド俳優が登壇する舞台挨拶で事件は起こりました。

本来売ってはいけない席を、社員間の連絡ミスで販売してしまいました。

 

当時、ぼくは平社員で対応に当たってましたが、支配人は地獄だったでしょうね。
まあ、ここまで我々が100%悪く、言い訳のできない状況でのクレーム対応は、後にも先にも経験がありません。

ひたすら「お詫び→代替え案→お詫び→代替え案」の無限ループを繰り返し、ロビーのあちこちから「責任者出せ!!」という怒号が飛び交ってました。

 

3)登壇者の親戚と名乗る人

舞台挨拶などを実施すると、登壇者の知り合いや親戚を名乗る方が来られることもあります。

本当なら問題ないんですが、無関係な場合がほとんどでした。

大抵は主催者に対応してもらいますが、担当者がいないときなどは劇場側で
「ご親戚でしたら、直接ご本人に連絡を取ってみてください」と流してしまいます。

4.【番外編】従業員によるトラブル

1)芸能人をツイート

都心部の映画館に勤務していると、芸能人や有名人の方々がお客様として来館されます。

お一人で来られることもあれば、異性とだったり、複数人で来られることもあります。

一時期、アルバイトスタッフが「今日●●●が、女性と一緒に映画観に来てた。」とか「▲▲▲の態度が悪かった。」などとツィートしてしまうことが頻発しました。

たまたま居合わせた、お客様同士でならまだしも、従業員がお客様のプライベーを晒してはいけません。

 

2)嘘ばかりつく従業員

社員の中には、自分で考えて行動できる優秀な人もいれば、覚えるのがゆっくりな人、そもそも仕事なんか覚える気もない人、いろいろいます。

個人の能力なんてのは別にどうでもいいんですが、中には嘘ばかりつく社員もいます。

お客様から「映画館の社員にひどい対応をされた」という大きなクレームがあった際、社員に話しを聞くと、どうもお客様と言ってることが違う。

現場の近くにいたアルバイトスタッフに話しを聞いてみると、

「●●さん(社員)嘘ついてますよ、、、」「社員のくせに、あんなことも分からないなんて」等々、不満が噴出。

誤った対応をしてしまうのはしょうがないから、正直に話してね。

 

3)「ポップコーン売り」なんて嫌です!!

アルバイトスタッフは、採用されると各部門(チケット売場、フロア、飲食、物販、映写など)に配属されます。

希望通りの部門なら問題ないのですが、希望していない部門に配属されると、辞めちゃうスタッフもいます。

まあ、辞めちゃうのはしょうがないんですけど、中には何とかゴネて、希望通りの部門に配属されようとするスタッフも多かったです。

個人的な経験としては、都市部のシネコンで多い印象

そもそも、シネコンで働く動機として、都市部のシネコンでは「映画業界で働きたい」というスタッフが多い印象です。
対して地方のシネコンでは、「家から近いから」「このショッピングモールで働きたいから」といったように、映画業界には特に興味がないスタッフが多い印象でした。

なので、映画業界で働きたいスタッフにしてみたら、「何もポップコーンを売るために、最低時給でバイトしてるわけじゃない」となる訳です。

バイトの面接のときは「どの部門でも頑張ります!!」と満面の笑顔で答えてたのにね。。。

5.おすすめ映画

クレーム・トラブル対応の参考になる映画2作品をご紹介します。

■「ミンボーの女」(1992年公開、東宝)

監督:伊丹十三
出演:宮本信子 ほか

名門ホテルを食い物にするヤクザとミンボー(民事介入暴力)専門の女弁護士の闘いを描く。(キネマ旬報社「KINENOTE」解説より)

 

民事介入暴力についての対応が学べ、クレーム・トラブル対応の参考にしてました。

暴力団(クレーマー)と交渉するときは、

  • 相手より多い人数で対応する。
  • 記録(録音・録画)を残す。
  • 事実確認をしっかり行う。
  • そして、暴力団を挑発しない

などなど。
繰り返し観て、クレーム対応の参考にしました。

 

■「交渉人」(1999年公開、ワーナー・ブラザーズ)

監督:F・ゲイリー・グレイ
出演:サミュエル・L・ジャクソン、ケビン・スペイシー ほか

人質交渉人(ネゴシエーター)のふたりの男が、人質犯と彼に指名された交渉人という立場で対峙するサスペンス・アクション。(キネマ旬報社「KINENOTE」解説より)

 

両俳優とも、凄腕の人質交渉人という役柄

嘘の見破り方や、脅し方、要求の通し方などなど

交渉術を熟知した者同士の、極限状態でのやり取りは、観ていてとてもスリリングです。

 

今回は、以上です。

では、また。

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