こんにちは。けーたろです。
元シネコン支配人です。
今回は、40代以上の方々には、懐かしい作品の紹介です。
作品の内容よりも、映画全編に流れる、サザンオールスターズの名曲の数々について、ご紹介したいと思います。(ネタバレを含む)
1.作品概要
「私をスキーに連れてって」のホイチョイプロダクションが1989年に製作した、ホイチョイ3部作の第2弾作品です。
出演:原田知世、織田裕二 ほか
監督:馬場康夫
スキューバダイビングや水上バイクなどのマリンスポーツをテーマにした作品で、湘南や東京湾を舞台に物語が進みます。
この作品の特徴は、作品全編にサザンと桑田佳祐の名曲の数々が、テーマ曲・挿入歌として使用されていることです。
2.テーマ曲・挿入歌について(ネタバレ含む)
作中で使用されている曲を、時系列及び曲ごとに記載します。
(タイムカウントは、DVDの表記時間を参考)
1)JAPANEGGAE(ジャパネゲエ)
【楽曲解説】
サザン7枚目のアルバム「人気者で行こう」(1984年)の1曲目に収録
劇中では歌はなく、メロディのみにアレンジされている。
収録アルバム:「人気者で行こう」「BALLAD2‛83~‛86」「すいか SOUTHERN ALL SATRS SPECIAL 61 SONGS」
【場面解説】
(10″)
映画冒頭のシーン。
中国語を話す怪しい集団(香港の保険会社)が、相模湾に沈んでいる50億円の宝について話している。
今は亡き、佐藤充さん、今井雅之さんなどが出演されています。
(1°11’56″)
保険会社の社員たちが倉庫から飛び出し、大塚が入院している病室を襲撃。
2)HELLO MY LOVE
【楽曲解説】
サザン4枚目のアルバム「ステレオ太陽族」(1981年)の1曲目に収録
劇中では歌はなく、メロディのみにアレンジされている。
【場面解説】
(1’24″)
冒頭の怪しい雰囲気とは打って変わり、都内の室内ダイビングプールのシーン。
原田知世さん演じる真理子、伊藤かずえさん演じる泰世が登場。
レストラン・職場のシーンなどもあり、バブル当時の雰囲気が伺えます。
3)さよならベイビー
【楽曲解説】
サザン26枚目のシングル「さよならベイビー」(1989年)に収録
本作品のテーマ曲
この作品で、サザンは初めてオリコンチャートシングル1位を獲得した。
【場面解説】
(4’26″)
タイトルシーン。
織田裕二さん演じる吉岡、谷啓さん演じる大塚が、クルーザーヨットの進水式を行っている。
また、伊武雅刀さん演じる山口が、女性を引き連れて、豪華パワーボートでクルージングに出るシーンをバックにテーマ曲が流れます。
(20’21″)
真理子と吉岡が、海中で初めて出会うシーン。
(34’03″)
真理子と吉岡が、着替え後、ちょっといい感じになっているシーン。
(1°5’16″)
真理子と吉岡が、披露山で、ちょっといい感じになっているシーン。
(1°23’37″)
真理子の勤務先に逃げ込んだ真理子と吉岡が、いい感じになっているシーン。
(1°36’25″)
真理子と吉岡の、水中キスシーン。
ちょっとウンチク。
タイトル直前の、ツバメ号の進水式のシーンで、吉岡や大塚がツバメ号のキールに「Budweiser(バドワイザー)」のロゴをプリントしています。
これは「海のF1」といわれるヨットレース、アメリカズカップのエピソードのパロディです。
1851年の第1回大会から130年以上にわたって、アメリカ艇は無敗でした。
1983年の第25回アメリカズカップにおいて、史上初めて、アメリカ艇がオーストラリア艇に敗北します。
その時のアメリカ艇のスキッパー(船長)デニス・コナーは「初めてカップを奪われたアメリカ人」としてアメリカ中から非難されましたが、1987年の第26回大会でカップ奪回に成功し「史上初めてカップを取り戻したアメリカ人」になりました。
ヨットは浮いている状況では、水面から下は見えません。
そして、水面下にあるキールが艇の性能を大きく左右するため、大会期間中は常に隠されています。
艇のキールが公開されるのは、勝利艇が陸揚げされる時だけです。
デニス・コナーがカップを奪回した第26回大会、優勝艇「スターズ&ストライプス」が陸揚げされキールがお披露目されると、そこに「Budweiser」のスポンサーロゴが入っていました。
Budweiserはデニス・コナーの勝利を信じて多額のスポンサードを行ったわけですが、もし負けていれば、ロゴは世間の目に触れることはありませんでした。
このBudweiserの心意気にアメリカ国民が感動した、という有名なエピソードです。
ちなみに、映画の中で吉岡が「夢かな、12m級は」とつぶやきます。
12m級とは、1958年(第17回大会)から1987年(第26回大会)まで、アメリカズカップで採用されていた規格です。
4)ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)
【楽曲解説】
サザン20枚目のシングル「ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)」
(1984年)に収録
サザンのライブでは定番の曲。
原坊のキーボードが奏でるイントロが流れると、観客が一層盛り上がります。
【場面解説】
(8’30″)
海中でのダイビングシーン。
真理子、泰世たちが、集団でのダイビングシーンを披露します。
5)Happy Birthday
【楽曲解説】
サザン8枚目のアルバム「KAMAKURA」(1985年)DISC-1の7曲目に収録
劇中では歌はなく、メロディのみが使用されている。
【場面解説】
(24’28″)
サーフショップで働いている、ツバメ号の仲間たち。
たまり場である「CLUB HITCH」からの信号を見て、仕事が終わる前に
お店へ向かいだす。
(1°35’05″)
ツバメ号とアマゾン号、お互い和やかな雰囲気の中、宝を探している。
6)赤い炎の女
【楽曲解説】
サザン6枚目のアルバム「綺麗」(1983年)の2曲目に収録
劇中では歌はなく、メロディのみにアレンジされている。
原曲はテンポの速い曲だが、パーティーのシーンに合わせて、ゆったりと落ち着いた雰囲気に編曲されている。
【場面解説】
(25’38″)
アマゾン号船内でのパーティーのシーン。
バブル当時の雰囲気が伺えます。
7)思い過ごしも恋のうち
【楽曲解説】
サザン4枚目のシングル「思い過ごしも恋のうち」(1979年)に収録
【場面解説】
(28’25″)
小型ボートと水上バイクによる、夜間の水上チェイスシーン。
船外からアマゾン号に乗り込んで来るツバメ号のクルーたち。パーティー中に襲われそうになっていた、真理子を泰世とともに、小型ボートで助け出す。
なお、映画のエンドロールに注釈が出るが、水上バイクの夜間航行は違法行為なので、海上保安庁の特別な許可のもと撮影されています。
8)あっという間の夢のTONIGHT
【楽曲解説】
サザン7枚目のアルバム「人気者で行こう」(1984年)の5曲目に収録
劇中では歌はなく、メロディのみにアレンジされている。
(店内のBGMとして使用)
【場面解説】
(42’53″)
都内のオシャレなレストラン。
山口に連れられた真理子が入店すると、先客に吉岡と恭世がいる。
吉岡の名セリフ「ジンジャーエール。銘柄はカナダドライ。」が聞けます。
9)いつか何処かで(I FEEL THE ECHO)
【楽曲解説】
桑田佳祐ソロ2枚目の「いつか何処かで(I FEEL THE ECHO)」(1988年)に収録
【場面解説】
(54’32″)
大塚のお見舞いから、タクシーで帰宅途中の真理子。
吉岡が意を決して、公衆電話から真理子に電話するが、その後ろを真理子を乗せたタクシーが通り過ぎていく。
翌朝、出勤途中の真理子。
吹っ切れたように、人波に逆らい引き返していく。
マリーナの公衆電話から、勤務先へ仮病の連絡をする吉岡。
そこに、真理子が現れる。
10)マチルダBABY
【楽曲解説】
サザン6枚目のアルバム「綺麗」(1983年)の1曲目に収録
劇中では歌はなく、メロディのみにアレンジされている。
サザンのライブでは定番の曲。
演奏中には特殊効果で、大きな爆発音と火花を発生させて盛り上がります。
【場面解説】
(1°2’51″)
宝をタッチの差で取り逃したと落ち込む真理子と吉岡。
大塚から「宝はもう一つある」と言われ、、、
真理子と吉岡が、横浜中華街~七里ガ浜~披露山 を車で巡ります。
11)開きっ放しのマシュルーム
【楽曲解説】
サザン7枚目のアルバム「人気者で行こう」(1984年)の4曲目に収録
劇中では歌はなく、メロディのみにアレンジされている。
スピード感のある楽曲で、水上チェイスシーンに疾走感を与えています。
【場面解説】
(1°17’24″)
浦安のマリーナで、保険会社に襲われる真理子と吉岡。
小型ボートで逃げるが、山口のアマゾン号を奪った保険会社が追ってきて、水上チェイスを繰り広げます。
12)女呼んでブギ
【楽曲解説】
サザンのデビューアルバム「熱い胸さわぎ」(1978年)の7曲目に収録
映画の中で「名曲よ!」という裕子のセリフがあるが、まさに名曲!!
ライブでも演奏される曲で、原坊の「もういっちょう」など有名な合いの手も入る。
サザンがデビュー前の1977年、ヤマハ主催の音楽コンテスト「EastWest」に出場し、歌ったのがこの曲。
桑田さんはベストボーカル賞を獲得しました。
【場面解説】
(1°24’36″)
保険会社に追い詰められた真理子と吉岡が、裕子に助けを求めるため電話をかけると、留守番電話のアナウンスが流れる。
「この曲の後に、メッセージをどうぞ。」
13)みんなのうた
【楽曲解説】
サザン24枚目のシングル「みんなのうた」(1988年)に収録
サザンのライブでは定番の曲。
演奏中には、桑田さんが観客に水を放水するなどのパフォーマンスが有名。
サビの部分では、桑田さんの動きに合わせて、手を左右に振るのがお約束になっている。
「KAMAKURA」発表後はソロ活動が心になっていたサザンが、デビュー10周年を機に再結集、3年ぶりにリリースされたシングル。
【場面解説】
(1°27’11″)
真理子の勤務先まで襲ってきた保険会社。
真理子と吉岡は、小型ボートで夜の海に逃げるが、再び水上チェイスとなる。
追い詰めらたところに、裕子がヘリコプター(ロビンソン R22)で現れる。
打ち上げ花火のシーンもあり、映画はクライマックス。
14)C調言葉に御用心
【楽曲解説】
サザン5枚目のシングル「C調言葉に御用心」(1979年)に収録
【場面解説】
(1°38’19″)
エンドロール。
海中で宝を発見した真理子と吉岡。水中バルーンで海面に上げるが、、、
出典
- DVD「彼女が水着に着がえたら」(ポニーキャニオン)
- 書籍「サザンオールスターズ 公式データブック1978-2019」(リットーミュージックムック)
3.おわりに
ぼくが「彼女が水着に着がえたら」を映画館で観たのは、今から30年以上前ですが、2020年現在、当時のサザンの曲を聴いても、古臭さを感じません。
現在、サザンオールスターズと桑田佳祐の楽曲は、amazon music など、主要音楽ストリーミングサービスで配信されています。
気になった方は、聴いてみてください。
では、また。
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